米国の内部通報に関する連邦法では、かなり以前からホットラインが導入されています。これは、安全衛生法の違反について、安全かつ簡単に通報できるようにすることを目的としていました。アメリカでは、「内部通報」が社会現象の一部になっています。これはアメリカ合衆国憲法修正第1条で守られている表現の自由に対する権利の拡張とみなされているためです。1863年には、虚偽請求取締法が立案され、これにより市民が国の名前をかたって政府に不正に損失を及ぼした会社を訴えられるようになりました。以来、米国では優れた内部通報基盤が整備されるようになり、内部通報者も様々な州法や連邦法により保護されています。2002年には、サーベンス・オクスリー(SOX)法により、雇用主に対して不正行為の疑いを匿名で通報できるようにすることが義務付けられるようになり、内部通報者の保護がさらに強化されることになりました。SOXでは、内部通報手段を適切な手段ともしています。そして、ニューヨーク株式市場の上場企業は、これらの条件を遵守することが義務付けられています。ニューヨーク株式市場に上場していない欧州の企業も、他の法的要件(コーポレートガバナンス法など)に対応するため、もしくは自らのイニシアチブにより、社内内部通報ホットラインの導入を検討するようになっています。とりわけ、企業各社は他社が内部通報ホットラインを導入している状況を見て、インテグリティポリシーの一環でこの手段を採用するようになっています。
通報システム(匿名通報が可能な場合もあり)を含む優れた内部通報手順の確立は、包括的なインテグリティポリシーの不可欠な要素とみなされるようになっています。国際組織(トランスペアレンシー・インターナショナル、ICC)では、内部通報ホットラインを最高の手段としているばかりか、四大会計事務所も内部通報ホットラインの使用を促進しています。私たちも国際的な内部通報ホットラインの需要の拡大を確認しており、このためのツールの実装と管理に専門的なアプローチが取られていることが認められるようになっています。